【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第48章 *もう会えない……【虹村修造】*
*おまけ3*成人後、日本にて*
「久しぶりだなー日本」
数年にも及んだ親父の治療は無事に成功。
これからはまた日本で暮らす事になったけど、仕事の関係でオレだけ先に帰国したところだ。
慣れないアメリカで、わけ分かんないアルファベットの綴りを見ながら暮らして来たオレ。
流石に慣れたものの……
今あちこちから聞こえる本場の日本語と、スラスラと自力で案内板が読める事にもの凄く安心した。
……渡米初日は散々だったし。
「んじゃ、とりあえずアパートか……」
気持ちを切り替えてキャリーバッグを転がすオレ……
とはいっても、の事は切り替えられないままでいた。
帰国当日にばったり逢えたらそれこそ運命だな。
なんて考えながら飛行機で飛んで来たけど、流石にそれはないだろう。
「やべっ、地図落とした…………あ?」
「あっ……」
だが奇跡は本当に起きたりするもの。
ポケットから滑り落ちたたった1枚の紙切れのお陰で……オレ達は再び向かい合う事になった。
「オメー……か…?」
「しゅう……ぞう…?」
アパートまでの道順が書いてあるメモの上で触れ合う指と指。
時が止まったかのように固まるオレ達はお互いから目が離せない。
けどこれだけは分かる。
ホンの少ししか触れていないの指から感じるのは、
オレがもう一度確かめたいってずっと思っていた……
懐かしいぬくもりだって事……。
*終わり*