【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
さんside
赤司くんから手紙が送られてきた時から覚悟はしていた。
今向かいの席に……彼がいる。
緑間くんは久々な気がしないと言っていたけど、私からしたら久しぶりで懐かしかった。
毎日テレビで見ていたのに……どうしてかな。
「ちゃん、話さなくていいの?」
「うん……今更何を話していいかわからないから……」
「でもあんなに会いたがってたじゃない!折角のチャンスだよ?」
「……いいの。私と涼太はもう終わってるしね」
ううん、本当は話したい。
なんでもいい。元気?って挨拶だけでもいいんだ。
けど出来なくて胸に切なさが募る。
直ぐそこにいるのに……やっぱり涼太には手が届かない。
「じゃあ呑も?いっぱい!」
「いっぱいは無理だよ。私強くないから……」
「大丈夫だよー。ほらほらっ!」
「ちょっとさつき…!」
この子は私に気を使ってる。
そんな事させたくないのに。
さつきだって皆と話したい筈なのに私の側にいてくれるんだから。明るくして。
それに今はお酒の席。
頼るつもりはなかったけど……酔ってしまえば普通に話せるかもしれないと思った。
だから私はグラスに手を伸ばす。
次々と……。