第5章 何もないし何にも出来ないけれど
Yume-side
最近思うこと
何でゆいぱに彼氏がいないのか、
嘘みたいに可愛い上に
人懐っこくて
男女問わず人気があって
女の私でもドキドキしちゃうくらい。
本人は恋愛とか、
そーゆーの興味無さそうだけど
言い寄ってくる男子は
少なくないはず。
「ねぇ、ゆいぱ」
ゆいは「んー?」
ほら、
首かしげた顔なんて
最っ高に可愛い。
「彼氏、いたことある?」
急に変な質問した私に
えっ?と笑って
女子は恋ばな好きやもんなーって
はにかむ姿も可愛くて
ゆいは「あるよ(笑)」
「え、」
ゆいは「彼氏いたこと、
全然あるよ(笑)
てゆーか、
今もいるし(笑)」
……
……
……
え?
えーーーーーー!!
「えーーーーーーーー!?!?」
ゆいは「ちょ、驚きすぎでしょ(笑)
失礼な!私結構モテるん、よ?(笑)」
いや、モテるでしょ。
モテないほうが、おかしい。
でも、
でもさー
「…………だ、れ?」
ゆいは「えーと、
8組の伊藤、くん?」
だ、だれー?(笑)
いや、普通なんだよ。
ゆいぱに、彼氏がいない方が、
おかしいんだよ。
でも、
なんでかな。
「デート、したことある?」
ゆいは「なーい!めんどくさいし(笑)」
「一緒に帰ったことは?」
ゆいは「なーい!私速攻で帰るから(笑)」
……ねえ、
それってさ、
「ゆいぱ、好き、なの?
その、伊藤、くん?のこと。」
ゆいは「あんね、私ね、自慢だけどね、
嫌いな人がいないのよ!(笑)」
……だめだこりゃ。
「ねぇ、ゆいぱ?
友達としての"すき"と
付き合う"すき"って
違うんじゃない?」
ゆいは「……なにが?」
「伊藤くんと付き合おうって、
なんで思ったの?」
ゆいは「告白、してくれたから」
え、まって。
ゆいは……もしかして
「今まで何人、彼氏いた?」
ゆいは「んー、分かんない(笑)
数えるのも面倒だし(笑)」
…………相当、いるんだろうね。