第12章 あなたが居れば充分だから
Yuiha-side
「大野、さ。」
「んー?」
「ひとつ、聞いてい?」
「そんな、ひとつなんて言わず
もっと聞いてくださいよ~んふ(笑)」
お散歩中、どこかヘラヘラしてる大野に
意を決して聞いてみることにした。
「もしかしてさ、」
「うん(笑)」
「大野が、さとしだったりする?」
「んふふ(笑)そう。
おいら、智だよ~」
あの時、私に声をかけてくれた
お兄ちゃんは
大野で、
私の目の前にいる
この人は、
さとしで、
大野とさとしは同一人物で、
そしたら、なんて、
運命的なんだろう……
"お前は俺のこと忘れてるかもしれないけど、
俺は君のこと忘れられなかったんだ…
だから、迎えにきたよ、honey"
的な展開でょ!?でしょ!?
いやん//
女子が憧れるシチュエーションなう
って、大野の名前がさとしだって聞いて
(今まで知らなかった方が奇跡だけど)
そんな私のツイートは
あながち間違いじゃないのかもしれない。
「でも、おいら、
ゆいはの思ってるさとしでは、無いぞ」
どこか寂しそうなのは、
大野が私の気持ちに、気づいてたから
だよね。
「おいらも、お前の好きなさとしに
なれたらいんだけど、」
そんなあなたの気持ちが、
何よりも嬉しいって思うのに。