第1章 prolog
不思議なこともあるものだ。
麻酔を打たれて眠っていたはずなのに、目が覚めると何故か赤ん坊になってしまっていた。
まあこれがどういう状況なのかはなんとなくわかる。そう、私は転生したんだ。
ってことは手術失敗したのか……ま、痛みなく死ねたから良しとしようか。
交通事故や病気で苦しみながら死ぬよりはマシだ。
「アキ……私の大切な娘……」
私を腕に抱いているのは、優しげな顔をした見覚えのある女の人。
確か……REBORNの主人公である沢田綱吉の母に似ている気が……。
「沢田さん、体調はどうですか?」
「大丈夫です。いつもありがとうございます」
「いえいえ、では失礼します」
看護婦さんらしき人は、病室を出ていった。
沢田さん、か……やっぱりこの人は、沢田奈々さんなのだろうか……。
転生した先が漫画の世界とか……不思議なこともあるもんだなぁ。
それでも……安心した。一度死んだけど、また生きていられるから。
テレビで前世の記憶があるって言ってた人をバカにしたこともあったが、今思えば本当に前世の記憶があったのかもしれないな……。
ま、二度目の人生を楽しむとしますか。