第2章 【R15】閉じ込めてみた×土方
『うわー……天辺が見えない』
私は摩天楼のごとく聳え立つターミナルタワーを見上げていた。
特殊警察真選組に入隊して今日が初めての任務になる。
監察の話によると、この馬鹿デカいビルに過激派の攘夷志士が多数潜伏しているらしい。
「無駄口叩いてっと置いてくぞ」
咥えタバコの煙に目を細める男。
イケメン顔に特徴あるハスキーボイス。
マヨとヲタが玉に瑕の副長殿だ。
『はーい』
さっさと行ってしまう土方さんの背中に間伸びした返事を投げた。
これは直属の先輩であり、私の教育係でもある沖田さんから習ったものだ。
“基本土方にはナメた態度で行け”
彼の言葉を思い出しつつ副長を追う。
すると明らかに怒りを含んだ声が返ってきた。
「返事は短く」
『はいはい』
「“はい”は一回だろうが」
『チッ……るせーな』
「………」
まるで総悟二号だな。
土方さんは青ざめた顔で言ったが、全身毛むくじゃらの天人に気を取られていたため敢えて無視した。