第1章 やらせてみた×スイカ割り
【CASE1】
進撃の巨人
調査兵団所属104期生兵士
ジャン・キルシュタイン(15)
とある暑い夏の日。
同期兵であるからの提案にジャンは小首を傾げて言った。
「スイカ割り?」
『うん』
「……なんで俺が」
『暇だから』
「自分でやれよ」
『駄目。ジャンにやって欲しいの』
ガンとして譲らない。
その気迫に押され負けるジャン。
彼が渋々了解してすぐ、は適当な木材と目隠し布を用意した。
「なァ……何も見えないんだけど」
目隠しが完了したジャンは不安気な声を漏らす。
『ジャンは視覚なんて要らないでしょ』
馬並みの嗅覚があるんだから。
そう付け加えては笑う。
ジャンは「後で覚えてろよ」と呟いてみたが華麗にスルーされた。
『違うよーもっと右ー!』
「右?」
『行き過ぎ、ちょっと戻って!』
の声を頼りにフラフラと歩を進めていく。
持ち前の器用さでなんとかスイカまで辿り着いたジャンは一気に木材を振り下ろしたのだが……しかし。
ツルッ
「あ、ヤベ」
夏の暑さによる汗で滑った木材は、ジャンの手をするりと抜けて遥か彼方に飛んでいく。
緩やかな弧を描いて落ちていく棒。
目隠しを外してそれを見やるジャン。
そして、次の瞬間。
ゴスッ‼︎
「おふっ……!」
ジャンの放った木材は近くを通りかかったエルヴィン団長に命中した。
鼻血を垂らしながら笑顔をみせる団長。
見事な仏スマイルだ。
でも、あれは相当怒ってる。
「(短ぇ人生だった)」
『(……ジャン、安らかに)』
【結果】
ジャーマンスープレックス
(スペシャル・スミスver.)