第9章 ドS×ドS(PART2)
ドタドタッ!
朝から慌ただしい足音を立てて廊下を走っている俺、 は2つの袋をもってある部屋へ急いでいた。
それは、数分前………
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今日は、朝から会議で眠い目を擦りながらダラダラと大広間に向かう。
集合時間ギリギリの所で俺は大きな欠伸をして、大広間に入るとほとんどの人がもう座っていた。
「、お前なんつー顔してんだ」
俺の顔を指差しながら、土方さんが呆れた声を出す。
なにも、こんな朝早くにやらなくてもいいのになんて考えたが口にするのをやめた。
言ったら後々、面倒くさくなると思った俺は、うるさいですとだけ答え、用意された座布団の上に座る。
昨夜は、夜遅くまで書類の確認に明け暮れていたせいでほとんど寝ていない。
あぁー、総吾にも昨日会えてないし辛すぎる。
そういや、総吾遅いな。
いつもはもういるはずの総吾の姿が見当たらない。
「あれー、土方さん。俺の総吾はどこですか?」
俺は、隣の座布団を軽くたたきながら土方さんに聞いてみる。
「ああ?おめぇ、聞いてないのか?総吾は昨日から風邪でっ………ふがっ!」
言いかけた土方さんの口を近藤さんがふさいだ。
「おい、とし!あれだけ言うなって言われてただろ!」
土方さんは、思い出したように自分の口をふさぐがもう遅い。
「土方さん、ちょっと用事を思い出しました!」
そう言って俺は立ち上がると、それを見た土方さんはは?と間抜けな声を出した後、意味を察したのか俺を止めようとしてくる。
「おい、せめて会議おわってからにしろ」
土方さんは、俺の肩を掴み引き止める。
だが、今はそんなの気にしてられない。
だって、こんなチャンスめったにないんだから!
俺は、土方さんの腕を振り払い部屋を飛び出した。
後ろから土方さんの叫ぶ声が聞こえたが関係ない。後ろをチラッと見ても俺を追ってくる気配はない。
食堂に寄って水やスポーツドリンク、薬、タオルなど適当に袋に入れ総吾の部屋へと急ぐ。
そして、最初に至るというわけだ。
愛しの総吾が苦しんでるのは可哀想だと思うが、俺は不謹慎にも総吾を襲う絶好のチャンスだと考えた。
総吾が俺に風邪だと知られたくなかったのも俺が何を企むかは想像がつくからだろう。
待ってろ、総吾。
今日こそ俺が攻める番だ!