第13章 君と一緒っっ!
休み時間、残り少なくなったパックのジュースを、名残惜しそうにちゅうちゅうしながら、俺はは考え事をしていた。
何か、 何かものすごく大切なことを忘れている気がする……。
その何か大切なことを思い出せないまま、やがてジュースは空となった。
ズゴゴゴゴ…と、残量がないため音が鳴り出したところで、が手にしていたジュースはパッ!と 取り上げられた。
「もうないよそれ。ほら、あげる。」
ジュースを取り上げたのは幼なじみの神威。
神威が、取り上げたジュースの変わりに牛乳を差し出しながら言う。
牛乳を渡された俺は、ソレをじーっと見つめたあと、顔を上げ、今度は神威の顔をじーっ と見つめた。
「なに?牛乳飲まないと、でっかくなれないぞっ?」
俺の視線を気付いた神威が、そう言いながらニヤッと笑った。
「う、うるせ!そんな変わらないだろっ」
子供のようなでも大人っぽいその神威の笑みに、心臓をバクバクと鳴らしながらは視線を逸らす。
幼なじみの神威の笑みに、色気を感じるようになったのは最近のこと。
二人揃って脱童貞をするはずが、なにをどう間違えたのか、身体を重ねてしまったと神威。
それからも何回か行為を繰り返して、今じゃ立派な幼なじみ兼セフレとなった。
「なー、俺、なんか大切なことを忘れてる気がすんだけど、知らねー?」
手渡された牛乳を見ながら、は神威に聞いてみた。
「ん?知らないなー」
神威はそう言いながら、の頬を軽く摘んだ。
頬に神威の指の感触を感じながら、やっぱりは思った。
何か、 何か、ものすごく大切なことを忘れている。
頬をムギュッと摘まれたが少しムッとした顔をしながら上目遣いに神威を見上げる。
ムッとしたのその表情が、神威には酷く可愛く見えて……
「……、午後の授業サボらない?」
午後サボって、ヤっちまいたいなんて、こ こが教室だということも忘れて、エロいことを企んだ神威。
「へ…?」