第2章 気持ち伝わりますか……?
真夏の昼下がり
俺は、生温い風を送り出す扇風機の前で深い深い溜息をついていた。
隣には、暑っ苦しい中俺に寄り掛かって眠る銀髪頭の坂田銀時。
こうなったのは、 つい30分程前の事だ……
永遠夏休みのような万事屋で暇な俺達は何をしようかと悩みに悩んでいた。
神楽と新八は、今日お妙んとこに行ってるらしく帰りが遅くなる。
あぁー、あっちーとウチワで仰ぐ俺を見て銀時はあっ!と声をだす。
なにかと思えば、AVみようぜ!!と提案してきた銀時は1人盛り上がりまだ俺の返事も聞かぬまま準備をしていく。
そして、それにつき合わされ一緒に見ることになった俺。
そこまでは良かったんだけど
銀時の部屋に行きDVDをセットして、2人並んで見ていた。
しかし、その直後なんとコイツは隣でスースー寝やがったのだ。
「ちょ、AVみようぜとか言いだしたのお前だろが」
部屋の中では、扇風機の音とAV女優のすかした演技と 俺の溜息が混じり合う。
「マジ何なのよ…」
何だか俺グッタリなんだけど。
『やァ…だめっ…』
空気を読まず 女教師モノのAVはどんどん進行し (そりゃそうだけど)
結局一人で鑑賞してる俺は 今現在、軽く非常事態。
「…ん……」
そう、隣のコイツ。 「ん」とか言いやがったコイツ。
地味に体格がほぼ同じなんで結果、密着度も高い。
顔の位置が同じ所為かちょうど耳にコイツの唇があたって…ぞくっとする。
たぶん耳たぶが湿ってるの 自分の汗だけじゃない。
首筋に熱い吐息が掛かって思わず身じろぐと銀時の腕が、だらんと垂れて 俺の身体に回される。
抱きしめられてるみてー…
「銀時、邪魔、重い」
思わず無駄にドキドキして俺はどかそうと試みる。
でもそれが、悪かった。