第8章 虹と緑に出逢う
虹村side
一昨日、赤司とあの女が話しているところを見て、俺はこうなると思っていた
あの赤司が休憩時間が終わるのを忘れて夢中で話すような女
案の定、赤司の奴はあの女をマネージャーにするだの言い出した
俺や緑間は反対したが、既にコーチにも監督にも話は通しているみたいで、そうなれば俺たちは何も言えねぇ
そして今日、あの女はバスケ部へやってきた
『橙野友香です‼︎ まだまだ分からないことだらけで迷惑かけると思いますが、よろしくお願いします‼︎‼︎』
確かに所謂美少女だろう
だが、赤司はあの女の何をそんな気に入ってるんだ?
練習の後、あの女が俺に話しかけてきた
『にっ、虹村先輩っっっっ‼︎』
「あ?何か用か?」
『あ、あの… 膝に痛みを感じてませんか…?』
「‼︎‼︎少し…な。 お前分かるのか…?」
『はい…。良かったらマッサージさせてください』
「あぁ、頼む」
俺は心底驚いた
確かに膝に違和感は感じていたが、それほど態度や動きには出していないはずだ…
そんな些細なことを初対面のこいつは気づくのかと
それからその女はマッサージと、これからの対策を事細かく教えてくれた
「お前のおかげで、すげー足が楽になった、サンキュ」
そう言って俺がこいつの頭を軽く叩いてやると
『////先輩のお役に立てて良かったです‼︎ じゃあ、お疲れ様でしたっ‼︎‼︎』
と、少し頬を赤く染めたその女が俺に微笑む
ドキッ
“ヤバい”と思った
“こいつはまじで可愛い”と思った
「っ//// あぁ、明日からもよろしくな‼︎ マネージャー‼︎」
『はいっ‼︎‼︎』
と言って、その女は違う部員のもとへ走っていった
俺は無意識にその女をずっと見つめていた
赤「虹村さん、少しは彼女を認めてくれましたか?」
「……あぁ。」
何故か俺はこのときこう思った
“あぁ、こいつには敵わない”って