第35章 平等な優しさ
赤司side
最近の紫原の成長は異常だ
まるで去年の全中前の青峰のようだ
青峰のように投げやりという訳ではないが、自己中心的なプレイが増えたように感じる
今日の練習試合でも
「紫原、シュートを決めたから良いが今のはお前に2人ついていた。俺に戻した方がより確実だったはずだぞ」
紫「あー…そう? まーいーじゃん別に決めたんだし」
(確かにシュートは決まっている、だが……)
それから練習試合が終わって、各マネージャーが選手たちにタオルやドリンクを配る
『はい、あっ君‼︎ タオルとドリンク‼︎ 今日凄かったね』
紫「あ、ゆかちんありがと〜。ねーねー、ゆかちん今日はマッサージしてくれるでしょー?」
『う〜ん… そうだね… ま、でもあっ君今日頑張ってたからしてあげる♪』
紫「わーい」
と言いながら紫原は友香に抱きつく
その様子を見ていた俺は口に出さずにはいられなかった
「友香、紫原を甘やかすな。マッサージをしなければいけない部員は他にいるはずだ。それに友香から離れろ。お前の汗で友香が濡れるだろう」
「え〜、いーじゃーん。ゆかちん嫌がってないし〜。それにマッサージもしてくれるって言ってくれたし〜」
「紫原、最近のお前は友香に甘え過ぎだ。友香はお前だけのマネージャーじゃないんだぞ」
紫「そんなの分かってるしー」
『まあまあ、征ちゃん。皆のマッサージが終わったら、あっ君のしてあげるから‼︎ だからちょっと待っててもらっても良い?』
紫「うん、分かった〜」
「…………。」