第26章 再確認
『……っ…ぅぅ…ヒック……』
赤「友香、確かにそこに君の居場所は無いのかもしれない…… だが、友香の居場所はちゃんと他にあるじゃないか…」
『……ヒック……っ…どこ…?』
赤 「友香も分かってるだろう?俺たちには君が必要だ。バスケ部が友香の居場所じゃ駄目かい?」
『そんなことないっ……っ…』
赤「じゃあ君の居場所はちゃんとあるじゃないか」
『うんっ…そだね……ありがと征ちゃん‼︎ 皆が初めて家に来てくれたときもそう言ってくれたのに……私馬鹿だったょ…』
赤「分かれば良いよ。それに俺も友香と似ているかもしれないな……」
(実家に居場所がない……か。俺の父も友香の父も俺たち自身を見てくれているわけじゃない、赤司家の1人、橙野家の1人としてしか見てもらえていない……)
『えっ……?』
赤「いや……何でもないよ……」
(俺の居場所も無い…のかもしれないな……)
『征ちゃんは……征ちゃんの居場所はあるの?』
赤「急にどうしてそんなことを聞くんだい?」
『征ちゃんも何だか声に元気が無いから…』
赤「……そんなことはないよ」
『もし征ちゃんも私と同じように、居場所がないって思ってるなら…… 私が征ちゃんの居場所になるから‼︎ 私は征ちゃんが必要だから‼︎‼︎』
赤「……‼︎‼︎‼︎ ありがとう…友香…」
『それに征ちゃんもバスケ部に居場所があるよっ?』
赤「そうだね」
『フフッ、私たち似た者同士なのかもしれないね』
赤「友香と似た者同士か…」
『あっ、征ちゃん嫌とか思ったでしょ?』
赤「クスッ、そんなことないさ」
『もう〜っ…… 征ちゃん、今日はありがとね… 征ちゃんに話きいてもらえて良かった……』
赤「俺も友香の声が元気になって良かったよ」
(それに俺の心も少し軽くなった……)
『征ちゃんのおかげだよ。本当にありがとう‼︎ じゃあまた初詣のときにね』
赤「あぁ。良いお年を…」
『ん。征ちゃんも良いお年を…』
そう言って私たちは電話を切った