第23章 夏祭り
しばらくウロウロしていると、輪投げ屋で1人苦しむ真ちゃんを発見した
『しーんちゃん、探したんだよ〜。何してるの?』
緑「あぁ、友香達か」
黒「緑間君も輪投げで遊んだりするんですね」
緑「これは遊びではない。この輪投げは、俺が人事を尽くすことへの決意の証、そのものだ」
桃「ミドリン……?」
緑「ここの輪投げは中々個性的な景品が多いので、俺のラッキーアイテム候補に入れておこうと思ったのだよ」
『どれを狙ってるの?』
緑「あの中段の棚に並んでいる、なまはげのこけしだ」
桃「確かに個性的だね…」
緑「だが、ボール当てなら難無くクリアできるのだが輪投げとなると勝手が違う。しかも中段の棚だ。的確に狙う必要があり、難しい…」
紫「なになに〜、どしたの〜?」
黒「紫原君、何処へ行ってたんですか? 探しましたよ」
紫「ごめーん。ソース煎餅買ってたんだあ〜。で、どしたの〜?」
『真ちゃんが輪投げにてこずってるんだぁ;;』
紫「ミドチンは考え過ぎなんじゃないのー? 投げれば入るって〜」
緑「紫原、何も考えていないお前には分からないのだよ」
緑「そうかなあ… じゃあ俺もやってみよー」
そう言うとあっ君は輪投げ屋の店主にお金を払い、輪っかを受け取ると、ヒョイと腕を伸ばした
あっ君の伸ばした腕は景品の棚に限りなく近く、いとも簡単にあっ君の狙ったクッキーの箱の前に置かれた空き缶を捉えた