第5章 three
そうして私は少し目を閉じた。
数秒後、目を開け耳を済ませる。
人の声が2人...。
きっと喰種捜査官だ タタラさんの言っていた通り。
多分、私に気付いてこちらにきているのだろう。
ここは逃げた方がいいのか、戦った方がいいのか...
でも、少し喰種捜査官と戦ってみたい気持ちもある。私の力が通用するのか。
...試してみようかな。
そう思い、人が来る方に体を向ける。
まだ遠くだが、人の形が近づいてくる。
その手にはケースを持ってる 体格のでかい男と、トレンチコートを着た白髪の男。
手慣れてそう...
「おやおやぁ...見ない顔の喰種だな。亜門君は見たことあるかね?」
「いや、俺もこの喰種は見たことありません。」
距離が5mぐらいになった時、人間は足を止めた。
「君は初めて見る顔だね。小汚い。ずっと前に立っていられると邪魔なんだが...退いてもらえないかね?」
白髪の男が私に言う。
「じゃあ、試させて?」
一言私が言うと、体格のいい男が動き始める。
「真戸さん、ここは俺にやらさせてください。」
「いいだろう。ここは任せるから、私は少し違う場所の喰種を始末しに行ってくるよ。」
「はい。後で俺も向かいます。」
白髪の男がくるっと体を逆方向に向け、歩いて何処かへ行ってしまった。