第3章 red sickle
只今の季節は夏
普段なら地方のマナーハウスで夏を乗り切っているが、私達がいる場所はロンドン…タウンハウスだ
人混みを嫌う坊っちゃんがこちらに足を運んだのは仕事が入ったからだ
セ「坊っちゃんがタウンハウスへいらっしゃるのは久しぶりですね」
シ「“あの手紙”さえなければ誰が…人が多すぎて満足に歩けもしない」
『(苦笑)…まぁ、たまにはお屋敷を離れるのもいい気分転換かもしれませんよ?』
話ながらセバスチャンがタウンハウスのドアを開ける
ガチャッ 坊っちゃんが入り、私、セバスチャンの順に入っていく
セ「確かにそうですね。あの4人もいないことですし、静かに過ごせそうじゃありませんか」
ガチャッ 私が談話室のドアを開けるとそこには―――
物が散乱しそれをしたと思われる3人の人影…
シ「マダム・レッド!?劉!?何故ここに…」
マ「あらっ早かったじゃない」
そこにいたのは坊っちゃんの叔母にあたるマダム・レッド…もとい元バーネット男爵夫人アンジェリーナ・ダレス様とその執事のグレルさん、中国貿易会社[崑崙]英国支店長をなさってる劉様