第22章 あっちの王とそっちの姫
セリシアside
「…。」
朝に強いはずなのに、珍しくぼーっとしてしまう。
昨日の夜、あの後は結構すんなり別れて、寝た。
泣いた後だったし、話す気力もあんまりわかなくて。
さらにいうと、ジャーファルに相談しようとしたのはただの私欲みたいなやつで、終わってるから。
それに気づいたからかな。
…頭の中ぐるぐるしてきたから、それぞれ戻った。
「…結局全然考えられてないけどね。」
寝ちゃったし。
…どうしよう。
ジャーファルは別れ際に言ったことは気にするなって言ったけど、無理。
…大切な人を不幸にさせたくはないよ。
不幸にさせたい人なんて…いるのかな。
可愛さあまって憎さ百倍、とかそんな感じの言葉があった気はするけど。
「…どーしよ」
特別何か期限が与えられてるわけじゃないけど、だからって答えを出さないのはズルい。
酷すぎる。
誰かに相談するのも、昨日ジャーファルに言った理由でできないし。
「第三者なんて、国を出ないと会えないよなぁ…。」
シンドリアの国民に聞くわけにももちろんいかないし。
っていうか、例えシンドリアの国民じゃなくても知らない人に急に相談されても困るだけだし。
第三者…。
キユノでもシンドリアでもない人…。
「あ。」
いるじゃん、1人。