第17章 キユノ王国一団

セリシアside


「現在キユノ王国は、政務官が国務を仕切っています。政治に関してのみ言えば、変わらずと言った状態にあります。…ですが、決して安定しているわけではありませんし、王のいないこの事実は民に不安をもたらせます。」

「国民は王がいないことを知っているのですか？」

聞いておいてアレだけど、伝えてないんじゃないかなって思う。
だって開国したばかりの国だよ？
王がいないそんな国にいたいとはあんまり思わないでしょ？

「…王が国にいないことは、既に知っているでしょう。しかしそれは他国へ行っている、というだけであり、生死までは知らないはずです。」

…そっか、それなりに情報まわってるんだ。
さすがにいないことは隠せないし、当たり前だったかな。

「このままでは王の長期不在に感づかれるでしょう。そうなれば我らは隠せません。…民に不安を与えてしまいます。」

民に不安を与えるってことは、国にとってマイナスにしかならない。
そもそもそんな国、キユノ王国じゃないよ…。

「ですから、それだけは避けねばなりません。そのためにも…貴女様にお願いがあるのです。」

…待って？
この話の流れから考えて…まさか…。
急に話の先が見えた気がした。





そしてそれは、言葉となって見えるのだった。