第17章 キユノ王国一団
セリシアside
キユノ王国の一団が到着したのは、手紙が届いた日から10日を過ぎたあたりだった。
ついに、と思いながらお迎えにシンドバッドさんと八人将、そして私は船の元へ向かった…んだけど。
「え」
その船から意外な人が降りてきて、ついそんな声をもらしてしまった。
「カルマ…さん?」
「こんにちは、セリシア。お元気そうでなによりです。」
今回の件にウィリランデ王国は関係ないと思うのだけど。
「どうしてカルマさんがここに?」
「キユノ王国とウィリランデ王国は条約を結んでいましてね。その関係でこちらに来たのですが…ご存知ありません?」
そういえばそんなこと言ってたような…言ってないような。
えーと、うーんと。
あ、そうだ。
国の解放の代わりに条約を結ぶって言ってた!!
「まあともかく…。今回の件に関しては、基本的に僕は口を挟みません。見届ける人、として来ていますから。」
…見届ける人?
「それってどういう…?」
それに、この人自分の国はどうしたんだ?
だって王様だよ?
見届けるためだけならわざわざ来なくてもいい気がするしな…。
「…詳細は後にしましょうか、セリシア。」
そういえばここは王宮の外だった。
あまり、外で出来る話題でもなかったね。