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【マギ】幸せを願って。~亡国の姫~

第14章 誘拐


セリシアside


ジャーファルはああ言ったけど。
自分を責めずにはいられなかった。
あの後黙ってしまった私に、寝なさいと言って3人は部屋を出て行った。
確かに疲れはあったし、眠ることは簡単だった。
…けれど、起きてからは。

「…私がしっかりしていれば…。」

そう思わずにはいられなかった。
ぼーっとしてはそう考え、それからデアルとシロナとの思い出を思い出して。
自分の不甲斐なさが嫌で、じっとなんてしていられなくて。

ガチャ…。

部屋の扉を開け、周りに人がいないのを確認する。
もう昼は過ぎている。
起きた時、そばに昼ご飯が置いてあったし、そばにはジャーファルの字で「食べれるようなら食べて」と書いてあった。
ちなみにだけど、もちろん美味しくいただいた。
今部屋を出ても、夜に戻っていればいいよね?
魔法で姿を消して気配も消せば誰にも気付かれないで王宮を抜け出せる自信があった。
…いや、今魔法を使うのはさすがに無理か。
大分寝たとは思うけど、魔力切れを起こしたのは今日。
回復してても、すぐ使い切ってはいけない。

「ふう…。」

周囲に気を巡らす。
おそらく女官が2人、角を曲がったところにいる。
あともう一人…文官だろうか。
計3人。
これなら、外に行ける。
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