第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
日の出からだいぶ時間がたったと告げた途端、彼女はにらむことをやめた。
それだけじゃなく、抵抗の意志を捨てたようだった。
ヤムライハが魔法をやめたのか、セリシアの身体はゆっくりと横になる。
「・・・大丈夫ですか?」
力失くした彼女に声をかける。
聞こえているのでしょうか・・・・?
「・・・。」
何も答えない。
でもちらっとこっちを見たので、聞いてはいるのでしょう。
「・・・もう少し、わかりやすく教えていただけませんか?」
夢がどうといわれても、正直私にはよくわからない。
それはヤムライハとピスティの二人も同じはずだ。
「とりあえず、なんか時間がヤバイってことはわかった。」
「私たちに話して何かが変わるってわけじゃないけれど・・・。教えてくれると嬉しいわ、セリシア。」
三人でセリシアを見つめる。
誰も何も話さない、沈黙が続いた。
セリシアは三人をそれぞれ見て、視線を天井に向けた。
考えているのだろうか。
しかし、深呼吸をし、何かを決心したのだろう。
「・・・わかりました。」
沈黙を破ったのは、セリシアのその一言だった。