第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
「・・・じゃあ、自分から出て行った・・・とか?」
「どこにですか?」
「町とか?んー、国を出て行ったとは思いたくないけど・・・。」
町に・・・いるのでしょうか?
でもだとしたら・・・。
「どうして、町に出て行く必要が?それも誰にも気づかれずに。」
もし町にいきたかったとして、それなら誰かにそう伝えてから行くはずだ。
私じゃなくても、近くにいた女中にいうかもしれない。
でもそのような報告は一切なかった。
「うーん・・・。ひとりになりたかった・・・とか?」
「ですが町の方が人はたくさんいると思うのですが。」
「それに一人になりたい理由がわからないわ。昨日最後に会った時は何も思いつめてるようには見えなかったし。」
確かにその通りだ。
昨日最後に会った時、彼女はいたって普通で、何か考えていることがあるようには思えなかった。
その後に何かあった・・・のか?
「もー、知らないよー。そんなに言うならちょっとは二人が考えてよー。」
「あ、そうですよね・・・。」
確かに、もう少し自分で考えなくてはいけませんよね。