第11章 雪解けの夢
セリシアSIDE
「っっ!!」
頭がさえる。
さっきまでとは明らかに違う感覚。
そのことから、さっきのは夢だと理解する。
でも、安心が訪れるわけではなかった。
こんなのは初めてだ。
今まで、シロナが私に夢を見せることはあった。
でもその時は一面銀世界で、派手すぎるくらい雪景色が広がっていた。
雪なのに心の温かさがあって、恐怖心の持たないもの。
それがシロナの見せる雪だったのに。
今の夢とは全く違ったのに。
・・・デアルに何かあったのか?
シロナがいるのはデアルのそば。
ならばデアルに危険が迫り、それを教えたのだろうか?
・・・わからない。
どういうことなのか、わからない。
けどどういうわけか・・・。
このままではシロナがいなくなってしまう気がした。
ううん、シロナだけじゃない。
デアルも・・・いなくなってしまう気がした。
「・・・行かなくちゃ・・・」
なかば自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
ベッドをおり、部屋のドアを開ける。
冷や汗をかいていたとようやく気付く。
吹きつける風が、嫌な予感を感じさせた。