第8章 お仕事であって初デートです。
セリシアside
「え。」
欲しい物。
つまり、剣だった。
「なんで?」
ジャーファルに欲しいなんて言ったっけ?
言ってないよね?
「この前、シャルルカンがあなたに自分用の剣を持たせるべきだからお金出して下さいって言ってきたんですよ。」
知らなかった。
あの人にそんな優しさがあるのか…?
「まあ、あなたは自分用の武器を持っていませんからね。ちょうどいいかと。」
「そりゃ嬉しいけど…。」
その剣っていうのが、これまた綺麗で。
短剣よりは少し大きめサイズ。
剣だしあたりまえっていえばあたりまえなんだけど、両刃タイプ。
持ち手の部分にはキラリと輝く石。
宝石とはちょっと違うけど、えーと…なんていうんだっけ。
とにかくかっこいい。
そして重くない。
振り回しやすそうだな…。
「一応、雪の結晶がポイントだそうです。」
「なるほど!」
このストーンはわざわざ結晶型になっている。
雪の結晶はキユノ王国を思い出すから、すごい嬉しい。
いつもそばでパパママが見守っている気がしてくる。
「ホント、ありがとうございます!」
「気に入ってもらえたようでよかった。これでも悩んだんでね。」
ちょっと照れくさそうに笑顔で答える。
無償にキスしたくなってしたら、顔真っ赤にされた。