第6章 迷いと決意
セリシアSIDE
『セリシアはどう考えるか知らないけど、向こうの人のことも考えてあげてよね?』
「向こう??」
『カルマ・ベルッセ。だよね、ウィリランデの王子様。』
ああ、多分あってると思うけど・・・。
「あの人が、何?」
『ウィリランデの王子だし、まあいけ好かないところがあると考えるようだけど。あの人、セリシア殿のことが好きでしょうがないんだよ。キユノが破滅して、お前も死んだと思われた時、あの人寝込んだんだって。』
「・・・は?」
どういう情報?
第一、寝込むの?
『好きでしょうがなくって、そんな人が目の前にいて。その人を、自分のものにしたいって考えるのは・・・普通じゃないの?』
それは・・・。
今まで、毛嫌いして、ちゃんと考えたことなかったな。
「みんなが、幸せになる方法を一番に選ぶ気なら、カルマって人のことも考えてあげなよ。・・・愛し方、やり方はともかく。セリシアのことが好きな一人なんだから・・・さ。」