第6章 迷いと決意
セリシアSIDE
「・・・話は・・・終わり?」
口に出せない言葉は飲み込んだ。
つらそうな顔をする理由はわからないけど、それを聞いたら何かが終わってしまう気がした。
「はい。・・・セリシアさんは、好きなところに行ってもらって構いませんよ。」
「・・・え?」
セリシアさん、か。
本当に、その関係は終わったんだね。
「どこに行くにも、シンには私が伝えましょう。シンドリアじゃなくて、もっと別のところに行ってもらって構いません。キユノ王国でも、ウィリランデでも。」
・・・なんでそれを知ってるの・・・。
ウィリランデのことはともかく、どうしてキユノのことまで。
前にデアルに話された時に・・・聞いてたのかな?
「・・・それじゃあ、私は邪魔ですよね。」
何も貢献できそうにない人間などいらないだろうから。
「邪魔だなんて「寝ます。おやすみなさい、ジャーファルさん。」」
泣くのを必死にこらえながら、その場に背を向ける。
きっと、この場に来ることはもうないだろう。