第62章 現状と見解と想像を絶する状況と
「だから雷が落ちる予定の日に
真相を確かめようと思っていたんだが、
その前にこういう事態が起きてしまった。」
エルヴィンはそう言って
凛の目を真剣な表情で見つめ、
「……きっと
タイムスリップのきっかけは他にある。
それが、あの日の夜に起きたんだろう。」
と、明瞭な口調で言い切った。
「俺たちの予測は
根本から間違ってたってことか……」
リヴァイの曇った声を聞きながら、
少しの沈黙が漂う。
ふと視線を横に向けると、
穏やかな表情でこっちを見つめる
ハンジが目に留まった。
「取り敢えず凛は、
完全に体力が回復するまで、
しっかり休んだ方がいいね。
難しい話は体の調子が戻ってからでも
いいんじゃない?」
「……そうだな。」
エルヴィンはハンジの問いに
一言だけ答えると、
ゆっくり椅子から立ち上がった。