第62章 現状と見解と想像を絶する状況と
「取り敢えず、何で私たちが
二人の世界にタイムスリップしたかは
まだよく分かってないってことか……」
「ああ。
俺たちが寝た時は確かに快晴だった。
雷なんて落ちるような天気じゃ
なかっただろう。」
リヴァイの声は、
最初聞いた時より落ち着いている。
「……そのことなんだが、
疑問に思っていたことがあるんだ。」
エルヴィンは再び口を開いた。
「凛。確か君は、
俺たちがタイムスリップして来た時、
雷が鳴って電気が落ち、
“使者と繋がる部屋”のふすまが
揺れ始めたと言っていたな?」
「うん。そうだよ。」
「だが、実際雷は
凛の家に直撃したのか?」
エルヴィンの問いかけの意味を模索するが、
よく分からず、自然と首が傾く。