第60章 鼓動が重なる感覚は
今朝の段階で出した結論は、
“この世界に残る”というものだった。
花火大会までの一週間、
二人に依存しすぎないように
自分なりに出来るだけ
距離を置いて接していたこともあり
二人が居なくても生きていける覚悟が
出来たように感じていたから、
その結論は自然と導き出された。
……でも、今日二人と一日一緒に過ごして、
その結論を支持する気持ちが
瞬く間に消え去ってしまった。
勿論、花火大会の時
エルヴィンに予想だにしない言葉を
掛けてもらえたこともその要因の一つだけど、
リヴァイの穏やかな表情を久しぶりに見て
まだこの優しい顔を見ていたい、
と強く思ったのも理由の一つだ。