第58章 浴衣の効果
範司の暴走で二人の服装にまで
目が届いていなかったが、
二人の浴衣姿は相当恰好良くて、
自然と目が釘付けになった。
やっぱり恰好良い人は、何を着ても様になる。
さっきまで混乱状態に陥っていたことを
忘れてしまうくらい、
二人の浴衣姿は魅力的だった。
「凛。見惚れすぎ。」
範司に目の前で
手をひらひらとかざされ、我に返る。
「ああ、ごめん……
あまりに似合ってるから、つい。」
「凛もすごく似合ってるよ。
範司が襲いたくなる気持ちも理解できる。」
エルヴィンの指先が頬に触れ、
一瞬で頬に熱が集まってくる。
その姿で、そんなことを言われて
普通でいられる神経は、
どうやらどこかへ旅立ってしまったようだ。