第55章 今現在の決断
結局、家に着いたのは昼前だった。
ラブホテルで最後にした“行為”が濃厚過ぎて、
しばらく私が動けなくなったのが原因なのは
明らかだろう。
完全に快楽に溺れた結果だから、
後悔はないけど
部屋に入った瞬間、少し後悔したくなる状況に
追い込まれることになる。
「へぇ、昼帰りか。
……よっぽど楽しい所に行ってたんだろうね。」
居間に入った途端、
畳の目を指で弾いていた範司に
ニヤニヤしながら声を掛けられる。
隣には火口君がいて、
どうもバツの悪そうな表情を浮かべていた。
「凛、リヴァイ、おかえり。」
それだけ言ったエルヴィンは笑顔ではあるが、
完全にいつもの笑顔とは種類が違っていた。