第54章 安息の時間
「……リヴァイ、寝た?」
「ああ。かなりな。寝すぎだ。」
「いっつもあんまり寝てないから、
身体が睡眠を欲してるんだよ。」
「俺はいつも2、3時間の睡眠で十分足りてる。
身体が怠けきってる証拠だ。」
口早にそう言い切ると、
凛は何も反論しなくなる。
凛が無言になっただけで、
僅かでも動揺してしまう自分に呆れつつ、
凛の顔を覗き込んだ。
「急に黙るな。どうした。」
「……元の世界に戻ったら、
この世界に居た時のリヴァイでは
いられないもんね……」
その言い分は尤もだが、
凛の口からそれを言われるのは
さすがに堪える。
凛の淋しげな声は、
胸の辺りを酷く疼かせた。