第54章 安息の時間
お風呂から出て、
DVDをベッドの目の前にあるデッキに
挿入しようとしていると、
後ろから大きなため息が聞こえる。
「お前……ちゃんと髪を乾かせ。」
後ろを振り向くと、半裸のリヴァイが
お風呂から出て来たところだった。
「乾かしたよ?」
「肩、濡れてるじゃねぇか。」
反論してみるが、
呆れたように言い返されて口を噤む。
髪を乾かすのは、
小さい頃からどうも苦手だった。
この季節は特に、風呂上がりに
脱衣所でドライヤーを使うと
どうしても暑さに負けて、途中で止めてしまう。
冷風で乾かすと時間がかかるし、
あまり乾いた気がしないから
結局殆ど乾いてなくても
気にならない性分になってしまった。