第8章 “たまる”
「……この跡が気になるのか?」
リヴァイは掴んだまま離す様子の無い私の手を、
自分の胸元に滑らせた。
異常に堅い筋肉の感触が、
鼓動の音を激しくする。
「こ、これ、何の跡なの?」
取り敢えず動揺を隠そうと質問してみるが、
声が上擦り、
むしろ動揺していることを伝える形になった。
リヴァイはフッと息を漏らすと、
「立体機動装置のベルトの跡だ。
……って言っても、
お前には分かんねぇだろうがな。」
そう言って私の目を見入る。
リヴァイの三白眼は、
最初に見た時よりも穏やかに見え
不意に見つめ返した。