第50章 全ての暴露
両親のことも、
今までいかに自分が流されてきたかも
他人には知られたくない事実だった。
それなのに、リヴァイには
すんなり話せてしまったのは
痴漢を一人で撃退しようと考えていた私に、
“何でも一人で抱え込むな”
と言ってくれたからだろう。
痴漢に説教した後、
警察に突き出さずその場を離れたのは
ただ単に奥さんが可哀想に思えたから、
というのが一番の理由だけど、
リヴァイが私に替わって怒ってくれたから、
というのも大きかった。
自分の身は自分で守るべきだし、
自分のことは全部自分一人で
悩むべきだとずっと思っていたのに、
リヴァイに
「守ってやれなくて悪かった。
もうお前に嫌な思いはさせない。」
そう言われて抱きしめられた時、
酷く暖かい安心感に包まれて
込み上げてきた涙を必死に呑み込んだ。