第49章 特技
「なかなかすげぇ特技じゃねぇか。」
すんなりとリヴァイに褒められ、
じわじわと気持ちが浮かれてくる。
今までこの“特技”は、保育園に勤めていた頃に、
引率で動物園に行った時くらいしか
発揮されなくて、
特に自慢できるようなことでは
ないと思っていた。
でも、こうして少しでもリヴァイを
喜ばせることができるなら、
無理にでも動物のことについて
教えてくれたおじいちゃんに
感謝する気持ちすら湧き出て来た。
少し足を進めた先でリヴァイは再び足を止めると
「あれも妙な生き物だな……」
そう言って眉間に皺を寄せる。
「ああ、あれはアミメキリン。
シマウマと一緒で、
草原地帯に暮らしてる草食動物だけど
他の動物とは違って群れの中に
特定のリーダーはいないんだって。」
「ほう……悪くない。」
リヴァイは腕を組み、
高い木の葉っぱを食べるキリンに視線を向けた。