第49章 特技
「……なに?」
「お前、この馬について詳しすぎねぇか?
この国の人間は馬に対する関心が高いのか?」
リヴァイが真剣な表情で
問いかけてくる様子を見て、思わず顔が綻ぶ。
「おい、こっちは真剣に聞いている。」
「……そうだね、ごめん。」
顔を緩ませたままリヴァイに視線を戻すと、
発言とは裏腹に、優しい表情が目に留まった。
「リヴァイ、今日は特に穏やかだね。」
「そんなこと聞いてねぇだろが。
質問に答えろよ。」
早口で捲し立てられ、
「小さい頃、よくおじいちゃんに
連れられてここに来てたからね。」
と、リヴァイをなだめる様に
声を抑えて答える。