第48章 守りたい、
「……リヴァイ、ありがとう。」
それだけ言った凛が、一体今何を
思っているのかは分からない。
だが、俺の身体を引き寄せてくる力は強く、
求められているような気持ちに
ならずにはいられなかった。
凛を守ってやりたいから、
元の世界へ連れて帰りたい
その思いは勿論強くあるが、
凛がいることで、俺自身が
満たされた気持ちになれるから
連れて帰りたい
という思いも、かなり強かった。
凛やエルヴィンに
指摘されて気付いたことだが、
俺は凛と居ると、自然に表情が緩むようだ。
だから必然的に眉間に皺を寄せることが
減ったんだろう。
この世界に来てから、頭痛がかなり解消された。
俺の表情を緩ます要因が
凛にあることは明白だ。
こいつの言動に、柄にもなく心踊らされ、
それが表情にも表れる。
それ故、
自分で自分が気持ち悪いと思うことも多いが、
この感情は悪くないとも思えた。