第43章 矛盾の追及

「……そんな男が、
巨人の住む世界で君を守ることは」
「分かった。」

少し声を張り、エルヴィンの言葉を遮る。


エルヴィンの話をただ聞くより、
自分が話しを聞き出す側に回るべきだ。

いつもエルヴィンがいた立ち位置に
今こそ回るべきだろう。



「……というより、
エルヴィンが私の為を想って、
私が二人のいた世界へ行くことを
強く拒絶してるのは、分かってるよ。」

なるべく穏やかに言おうと心がけ、
小さく深呼吸をした。


「でも、さっきの言葉は嘘じゃないんだよね？
私に側に居て欲しい、って思ったのは、
この世界限定の話？
それとも、その話自体が嘘なの？」

少し俯くエルヴィンの手を、強く握り締める。


エルヴィンの手が少し汗ばんで感じるのは、
私の話をちゃんと心で
受け止めてくれているからだろうか。