第40章 ●ずっと君だけを
「んっ、あっ、あ…ん……、」
腰の動きに合わせ、
凛の口から嬌声が零れ落ち、
それと同時に目に涙が
溜まっていく様子が見て取れる。
情事中、快感で泣かれたことは
何度かあったが、
それがこんなにも嬉しかったのは初めてだ。
凛を抱いていると、
何かと気持ちが昂ることばかりで
愉悦を覚える反面、これからへの不安も過る。
凛は俺たちがこの世界から
いなくなることを嘆いてくれていたが、
実際自分自身も、
この世界から去ることを考えると、
どうしても痛心に囚われる。
凛を知ってしまった自分は、
凛のいない元の世界で、
これまで通りの働きができるのだろうか。
これまで通り人間性を捨て、
非道とも惨忍とも言われながらも、
前だけを見て突き進むことが出来るのだろうか。