第37章 恩返しと覚悟の時間
だから、エルヴィンが
御食を庇うような言い方をした時も
かなり意外で驚いたけど、どこか納得できた。
御食が私と別れてから酒をやめたということは、
あの浮気現場は酒が原因で
作り上げられてしまったものなのかもしれない。
もしもそうなら、
本当に御食が酒をやめられた時、
私はまた御食を信じたいと思う気がした。
エルヴィンは私にそれを勘付かせ、
この世界は絶望しかない
訳じゃないことを伝えようとしている。
そして、御食が根っからの悪人じゃないことに、
エルヴィンも気付いている筈だ。