第37章 恩返しと覚悟の時間
「うーーん。よく分かんないなぁ。
二人がどう思うかじゃなくて、
凛がどうしたいのか聞いてるんだけど。」
相変わらず、範司の目の付け所は
私の痛いところを突いてくる。
「……それについては、
これから一週間かけて考えます。」
「もう答え、出てそうなのにね。」
……子どもの頃から、
範司のこういうところは全く変わらない。
私より、私のことを
分かっているんじゃないかと錯覚しそうだ。
もう私のことは、
範司に決めてもらいたいくらいの気持ちになる。
範司の車を停めてある駐車場に着くと、
「取り敢えず、明日から一週間よろしく!」
範司はそう言って車に乗り込み、
相変わらず荒い運転で、駐車場を後にした。