第36章 溢れるほどの想いがこぼれてしまう前に
「エルヴィン!リヴァイは?」
エルヴィンが、
待ち合わせ場所に指定されていた休憩所に
着くなり、凛はエルヴィンに駆け寄る。
「ああ。まだ入ってるんじゃないのか?
相当気に入ったようだった。」
「……まぁ予想はしてたことだけど、
のぼせたりしてないかな……」
「大丈夫だろう。
さすがに自分の体調管理くらい出来る。」
エルヴィンは心配そうな表情を
浮かべる凛の肩をそっと叩いた。
「……それより、さっき
“こっちの世界のミケ”に会ったよ。」
そう言った途端、凛の表情が曇り
挙動不審に辺りを見回し始めた。