第35章 恋人候補の説教
「……凛から何か聞いたのか?」
「いや、何も。
だが、そこまで彼女を気にするということは、
何か後ろめたいことでも
あるのかと思っただけだ。」
「……なかなか勘が冴えてるんだな。」
少し頬を緩めた御食の表情は、
ミケそのものだった。
これで髪が金髪だったとしたら、
懐かしさのあまり、
熱い抱擁でもしてしまうところだ。
「凛には相当酷いことをした……
今更謝ったところで、
許してもらえる筈もないが、
一度きちんと謝りたくてな……」
「謝りたいから、彼女と話がしたいのか?」
御食の発言を聞くなり、すぐさま問いかける。
また余計なことを口走ってしまいそうだな……
だが、このまま御食の話を
聞き流すことは出来そうにない。