第5章 知りたい世界
「エルヴィンの居た世界は、
酷い食料難だったってこと?」
「そうだな。土地に対して、人が多い。
それに殆どの土地が痩せているから、
穀物や野菜は育ちにくいんだよ。
食料難は必然的だ。」
「……何でそんなに土地が少ないの?
エルヴィンの国は、領土が狭いってこと?」
そう問いかけた途端、
エルヴィンは軽く目を瞑って、少し沈黙した後、
「……そうか。この世界には壁がないんだな……
俺の住む世界について、一から説明しよう。」
そう言ったのを皮切りに、
自分の居た場所について詳しく説明してくれた。