第30章 求めているのは一つの作用
「凛。リヴァイは嘘を吐いている訳でも
冗談を言ってる訳でもなさそうだ。
それは君にも分かるな?」
俯くのが怖いけど、返事をしない訳にもいかず、
小刻みに顔を上下に揺する。
「俺も同じだ。
君をからかっている訳でもないし、
君に同情している訳でもない。
勿論、凛が心配だからという理由で、
君の恋人になりたい訳でもない。」
もうこれ以上、感情を抑えるのは無理そうだ。
ゆっくり下を向き、
砂浜に灰色の斑点を作った。
「俺が、凛の側に居たいと思ってる。
君の一番近くで、君の幸せを
探したいと思ってるんだよ。」
エルヴィンの暖かい言葉が心に入り込んだ後、
乱暴に髪を撫でられ、少しだけ顔を上げた。