第30章 求めているのは一つの作用
「……エルヴィン?」
取り敢えず、これからどうするべきなのか
エルヴィンからの指示を仰ごうと、
声を掛けてみた。
が、エルヴィンから特に反応が
返ってくることはなく、その替わりに
「それなら一緒に遊ぼうよ!」
「近くにいい温泉があるんだよ~」
「ここから私の家近いから、
庭でBBQでもする?」
「夜は花火したいな!!」
と、口々に話し出す女性の声が
飛び交い始めた。
……最近の女子は積極的だ。
1対4でもおかまいなしか?
まぁエルヴィンは
4人まとめて相手をすることだって
きっと可能なんだろうな……
女性の提案を聞きながら、
放心に近い状態になりつつあった、その時。
エルヴィンの咳払いで
一気に女性たちが静まり返り、
エルヴィンに視線が集まった。