第26章 変わらない目的

「一体自分たちが、誰からの依頼を受け
この世界へ来たのか、
という話しだったな。」

「はい。ここにくるきっかけとなったのは、
私もリヴァイも、
死を意識した瞬間ではありましたが、
“使者”ということになると、
まるで心当たりがありません。」

自然に兵団で過ごしていた時と
同じ口調になるエルヴィンを、
リヴァイは横目で見入る。



「お前たちは、死ぬと思った瞬間、
何を考えた？」

好古はエルヴィンの顔を盗み見る
リヴァイに視線を向けた。


「……単純に、
まだ死ぬわけにはいかないと思った。
それだけだ。」

リヴァイがぶっきらぼうに答えると

「私もリヴァイと似たようなものです。
ここではまだ死ねない、そう強く思いました。」

エルヴィンはそう言って小さく息を吐く。