第17章 心を乱す存在
「……え、それって落ちるの?」
一瞬静まり返った周囲からの、驚嘆の第一声は、
出店の店主の口から零れ落ちた。
お前がそれを言うのかよ……
と、心の中で突っ込みつつ
「エルヴィン!すごいじゃん!!
銃の扱い、得意だったの?」
と、エルヴィンの肩を叩く。
「それなりに訓練は受けてたからな。
凛に喜んでもらえて良かった。」
頬を緩めるエルヴィンは、
どこか恥ずかしそうな表情で私を見つめた。
褒められるのに弱いのかな?
何てことを思いつつ、
店主から渋々……といった様子で差し出された
ゲームソフトの箱を受け取る。
手に持った箱が想像以上に重く感じ、
不意に箱の中身を覗き見た。
……底に重りが付けられていたことを
知ってしまったからには、
お灸をすえる意味も込め、
エルヴィンに活躍してもらうしかないだろう。