第12章 熱い視線の理由
1時間程車を走らせると、
比較的大きな街に出る。
コインパーキングに車を停め、
まだ興奮冷めやらぬ様子の二人を促して
車から降ろし、
賑わっている商店街のアーケードをくぐった。
「すごい人だな。いつもこんな感じなのか?」
「そうだね。でも今日は休日だから
特に人が多いのかも。」
エルヴィンの質問に答えながら、
横目でリヴァイを見ると
アーチ状の天井を見上げていた。
「リヴァイ。
よそ見をしていると、人にぶつかるぞ。」
エルヴィンに声を掛けられ、
リヴァイは視線を前に移し、
目だけで辺りを見渡している。